「個人でECサイトを持ちたいが、法人でなくても始められるのか」という方に向けた記事です。
結論から言うと、個人事業主でもECサイトを運営することは可能で、実際に多くの個人事業主が自分のネットショップを持っています。
この記事では、個人がECサイトを始める前に確認すべきことと、プラットフォーム選びのポイント、特に拡張性の高いShopifyがなぜ選択肢になり得るのかを解説します。
個人でECサイトを立ち上げることはできるか
個人事業主として、法人化せずにECサイトを運営することは可能です。
副業として小さく始める人から、個人事業主として本格的に運営する人まで、規模はさまざまですが、多くのECプラットフォームは個人での契約・開設に対応しています。
重要なのは「法人かどうか」ではなく、扱う商品や事業規模に応じて必要な準備を整えたうえで始めることです。
ハンドメイド作家が自分の作品を販売する、会社員が副業として物販を始める、フリーランスが自身のブランドを立ち上げるなど、個人でECサイトを運営する動機はさまざまです。
いずれの場合も、最初から大きな設備投資をする必要はなく、無料プランや低価格帯のプランから始められるサービスが多いため、思っているよりハードルは高くありません。
大切なのは、始める前に必要な準備を理解し、無理のない規模からスタートすることです。
個人がECサイトを始める前に確認すべきこと
個人でECサイトを運営する場合も、法律上の義務や事前準備が必要になります。
特定商取引法に基づく表記
日本国内でECサイトを運営する場合、事業者名、所在地、連絡先、返品条件などを明記した「特定商取引法に基づく表記」が必須です。
個人事業主の場合は、屋号だけでなく運営者の氏名や住所の記載が必要になるケースが多いため、あらかじめ確認しておく必要があります。
自宅の住所を公開したくない場合は、バーチャルオフィスの住所を利用したり、一定の条件下で開示請求への対応に限定したりする方法もあるため、事前に調べておくと安心です。
表記内容に不備があると、公開後に指摘を受けたり、購入者からの信頼を損ねたりする可能性があるため、公開前に一つずつ確認しておくことをおすすめします。
開業届と確定申告
継続的に事業として販売を行う場合は、税務署への開業届の提出や、売上に応じた確定申告が必要になります。
副業として始める場合でも、一定の所得を超えると申告が必要になるため、事前に税理士や税務署に相談しておくと安心です。
開業届を提出すると屋号での銀行口座開設がしやすくなるなど、事業運営上のメリットもあるため、本格的に続ける意思があるなら早めに提出しておくことをおすすめします。
古物商許可(中古品を扱う場合)
中古品を継続的に仕入れて販売する場合は、古物商許可が必要になります。
新品のオリジナル商品やハンドメイド品を販売する場合は対象外ですが、扱う商材によって必要な許認可が変わる点に注意してください。
食品を扱う場合は食品衛生責任者の資格や営業許可、化粧品を扱う場合は別の許認可が必要になるなど、商材ごとに確認すべき制度が異なります。
個人がECプラットフォームを選ぶときの比較軸
個人でECサイトを始める場合、プラットフォーム選びが今後の運営のしやすさを大きく左右します。
- 初期費用・月額費用を無理なく払い続けられるか
- 決済手数料が売上規模に見合っているか
- デザインや機能をどこまで自分で調整できるか
- 将来的に事業を拡大したときに、機能面で頭打ちにならないか
特に最後の「将来の拡張性」は、個人で始める段階では見落とされがちなポイントです。
副業から本業へ、国内販売から海外販売へと事業が広がったときに、プラットフォームを乗り換える手間とコストは決して小さくありません。
個人で運営する場合は、在庫管理や発送作業もすべて自分で行うことが多いため、操作のしやすさや管理画面の分かりやすさも重要な判断材料になります。
無料プランや無料体験期間が用意されているサービスであれば、契約前に実際の使い勝手を確認できるため、複数のサービスを比較検討してから決めることをおすすめします。
個人にShopifyがおすすめな理由
個人でECサイトを始めるなら、Shopifyは有力な選択肢のひとつです。
世界175カ国以上で利用されているクラウド型ECプラットフォームで、専門知識がなくても比較的短期間でネットショップを開設できます。
管理画面は日本語に対応しており、商品登録・決済設定・注文管理までを一つの画面で完結できるため、一人で運営する個人事業主でも扱いやすい設計です。
アプリストアには数千種類のアプリが用意されており、必要な機能だけを後から追加していけるため、開設時点では最小限の機能で始め、事業の成長にあわせて拡張することができます。
個人で始める場合、最初から複雑な機能をすべて揃える必要はありません。Shopifyは無料体験の間に基本設定まで進めておき、売上が伸びてきた段階で有料アプリや高度な機能を追加していく進め方がしやすいプラットフォームです。
また、BASEやカラーミーショップといった国内ASPカートに比べて、越境ECへの対応力が高い点も特徴です。
個人で始めた小さなショップが、将来的に海外販売を検討する場合でも、プラットフォームを変える必要が少なく済みます。
初期費用を抑えて個人で始めたい場合は、個人がBASEでネットショップを立ち上げる方法とShopifyとの違いもあわせて比較検討してみてください。
あわせて読みたい 個人がBASEでネットショップを立ち上げる方法とShopifyとの違い 個人でネットショップを始めたい方向けに、BASEでの立ち上げ手順と料金・手数料の仕組みを、Shopifyとの違いをまじえながら、両サービス公式サイトの最新情報にもとづいて分かりやす… 記事を読むShopifyのアプリストアには、レビュー収集、在庫・入荷通知、メール配信、多言語・多通貨対応など、目的別のアプリが数多く揃っています。
個人で運営していると、集客や顧客対応に割ける時間が限られがちですが、こうしたアプリを活用することで、少人数でも運営業務を効率化しやすくなります。
決済についても、Shopify標準の「Shopify Payments」を使えばクレジットカード決済をすぐに導入でき、個人事業主でも別途決済代行会社を探す手間を減らせます。
Shopifyの料金プランと個人事業でのコスト目安
個人で始める場合、まず気になるのが月々のコストです。
2026年8月時点の公式料金ページによると、年払いでBasicプランが月額3,650円、Growプランが月額10,100円、Advancedプランが月額44,000円です。
| プラン | 年払い時の月額 | カード決済手数料 | 向いている個人事業主 |
|---|---|---|---|
| Basic | 3,650円 | 3.55%+0円 | 副業・小規模で始めたい人 |
| Grow | 10,100円 | 3.4%+0円 | 売上が安定してきた人 |
| Advanced | 44,000円 | 3.25%+0円 | 本格的に事業拡大したい人 |
個人で始める場合は、まずBasicプランで開設し、売上や必要な機能が増えたタイミングでGrowプランへ切り替える進め方が現実的です。
制作会社に依頼する場合の費用相場は、Shopify制作の費用相場を解説した記事で詳しく紹介しています。
あわせて読みたい Shopify制作の費用相場は?内訳と総コストの考え方 Shopify制作の費用相場は、依頼内容によって30万円台〜1,000万円以上と幅があります。費用の内訳、依頼内容別の相場、運用費を含めた総コストの考え方を実務目線で解説します。 記事を読む月額料金のほかに、有料テーマや有料アプリの費用がかかる場合がありますが、これらも必要になった時点で個別に追加できます。
無料のテーマも用意されているため、開設当初はデザインにコストをかけず、まずはショップを公開して運用に慣れることを優先する進め方もできます。
決済手数料はプランが上がるほど低くなるため、月商が安定してきた段階で、上位プランへの切り替えによる手数料負担の軽減効果も試算しておくとよいでしょう。
個人がShopifyでECサイトを始める手順
個人でShopifyを使ってECサイトを開設する場合の大まかな流れは、法人の場合と大きく変わりません。
- アカウントを登録し、ストアの基本情報を設定する
- 料金プランを選び、支払い方法を登録する
- 商品情報(タイトル・画像・価格・在庫)を登録する
- 決済方法と配送設定を行う
- 特定商取引法の表記を用意し、ストアを公開する
個人事業主の場合、開業届を提出しているかどうかで、確定申告の際の扱いが変わることがあります。
ストア公開前に、事業としての準備(開業届・特定商取引法の表記など)と、Shopify側の設定を並行して進めておくとスムーズです。
公開前には、実際に自分でテスト注文を行い、決済から注文完了メールまでの流れに問題がないかを確認しておくことも欠かせません。
スマートフォンでの見え方も、パソコンとは印象が異なることがあるため、公開前に必ずスマートフォンからも確認しておくことをおすすめします。
商品数や作り込みの度合いにもよりますが、既製テーマをそのまま使い、商品数も少ない場合であれば、数週間程度で公開までたどり着けることもあります。
個人運営でよくある失敗・注意点
個人でECサイトを運営する場合、法人と違って一人で全工程を担うことが多く、いくつか共通する失敗パターンがあります。
- 特定商取引法の表記が不十分なまま公開してしまう
- 確定申告や税務の準備を後回しにしてしまう
- 在庫管理や発送作業に追われ、集客まで手が回らなくなる
- 最初から高機能なプランを契約し、固定費が重荷になる
特に、開設直後は「売れるかどうか分からない」段階のため、固定費を抑えながら、必要な機能だけを見極めて追加していく進め方をおすすめします。
個人で運営する場合、体調不良や本業の繁忙期など、自分が動けなくなった際に対応が滞りやすい点も見落とされがちなリスクです。発送や問い合わせ対応の代行サービスを利用できるかどうかも、事業が拡大してきた段階で検討しておくとよいでしょう。
一人ですべてを抱え込まず、外部サービスや専門家の力を借りるという選択肢も視野に入れておくと、無理なく運営を続けやすくなります。
よくある質問
法人化していなくてもShopifyは使えますか?
個人事業主でもShopifyでのストア開設は可能です。
ただし、法人と同様に特定商取引法に基づく表記や、確定申告を踏まえた売上管理は必要になります。
開業届の提出状況にかかわらず、契約自体は個人名義で問題なく進められます。
副業として始める場合、開業届は必須ですか?
継続的に事業として利益を得る場合は、開業届の提出が原則として必要です。
判断に迷う場合は、税務署や税理士に事前に相談しておくことをおすすめします。
利益の規模によって確定申告の要否も変わるため、帳簿を早い段階からつけておくと、後から慌てずに済みます。
事業が軌道に乗るまでの期間は、個人でも法人でも大きくは変わりません。焦らず段階的に準備を進めることが結果的に近道になります。
個人で始めても、後から法人化できますか?
個人事業主として始めたECサイトを、事業拡大のタイミングで法人化することは可能です。
Shopifyのようなプラットフォームであれば、運営主体が法人化しても、同じストアをそのまま使い続けられます。
法人化のタイミングでは、特定商取引法の表記や契約者情報の変更手続きが必要になるため、切り替え時期にあわせて準備しておくとよいでしょう。
まとめ:個人でECサイトを始めるなら
個人でECサイトを運営すること自体は難しいことではなく、法人化していなくても始められます。
ただし、特定商取引法の表記や開業届、扱う商材によっては古物商許可など、事前に確認すべき準備がある点は理解しておく必要があります。
プラットフォーム選びに迷った場合は、個人での小さなスタートから将来の事業拡大まで対応しやすいShopifyを検討してみてください。
無料体験の間にストアの基本設定まで進めておき、実際の管理画面を触りながら自分に合うかどうかを判断することをおすすめします。
一人で運営する個人事業主にとって、プラットフォームの操作性やサポート体制は、日々の運営負担に直結する要素です。
料金プランだけでなく、実際に触ってみた使いやすさも判断材料に加えて、無理のない形でECサイト運営を始めてください。
準備を一つずつ整えながら、自分のペースでショップを育てていくことが、個人でECサイトを続けるうえでの近道になります。


