「ShopifyとLINEを連携したいが、どのアプリを選べばよいか分からない」というEC運営者は少なくありません。
LINEは国内利用者数が多く、メールよりも開封率が高い傾向にあるため、うまく活用できれば顧客との接点を強化し、リピート率の向上にもつながります。
一方で、アプリの選び方を誤ると、費用に見合った効果を得られないまま運用が止まってしまうこともあります。
この記事では、ShopifyのLINE連携アプリの選び方と、CRM(顧客管理)として活用するメリットを、運営側の視点で解説します。
自社にどのアプリが向いているか、読み終える頃には判断できるようになります。
ShopifyとLINEを連携する意味とCRM活用のメリット
ShopifyとLINEを連携すると、購入者の情報とLINE公式アカウントの友だち情報を紐づけ、購入履歴や行動データにもとづいたメッセージ配信ができるようになります。
単なる一斉配信ツールとしてではなく、顧客一人ひとりの状況に合わせて情報を届ける「CRM(顧客関係管理)」の手段として活用できる点が、LINE連携の大きな価値です。
CRMとは、顧客との関係を管理し、購入回数や好みに応じて対応を変えていく考え方を指します。
LINEはすでに多くの人が日常的に使っているアプリであるため、新しいツールを覚えてもらう必要がなく、顧客側の負担が少ない点も、CRM施策として取り入れやすい理由の一つです。
LINEを使うメリットは開封率だけではない
LINEはメールに比べて開封率が高い傾向にあるといわれており、配信した情報が読まれやすいという特徴があります。
それに加えて、カート放棄のリマインドや再入荷通知など、購入のタイミングに合わせたメッセージを自動で届けられる点も、リピート施策として有効です。
メールと使い分けることで、顧客との接点を増やしながら、それぞれのチャネルの強みを活かせます。
Shopify LINE連携アプリでできること
Shopify LINE連携アプリを導入すると、主に「顧客データの連携」「メッセージ配信の自動化」「購買データにもとづくセグメント配信」の3つが可能になります。
アプリによって対応範囲が異なるため、自社が実現したいことを先に整理しておくと、選定がスムーズに進みます。
例えば「まずはカゴ落ち対策だけをしたい」のか「購入回数に応じたきめ細かい配信まで行いたい」のかによって、必要な機能や適したプランは変わってきます。
LINE連携以外にも売上向上に役立つアプリ全般は、Shopifyのおすすめアプリ10選でまとめて紹介しています。
あわせて読みたい Shopifyで導入すべきおすすめアプリ10選【目的別に厳選】 Shopifyストアにどのアプリを入れるべきか迷っている方に向けて、レビュー収集・メール配信・アップセル・カスタマーサポート・多言語対応など目的別に厳選したおすすめアプリ10個を、… 記事を読む- 友だち追加とShopify顧客情報のID連携:誰が友だちで、誰が購入者かを紐づける
- 購入後の自動メッセージ:注文確認、発送通知、サンクスメッセージなどを自動配信する
- カゴ落ちリマインド:カートに商品を残したまま離脱した顧客へ通知する
- セグメント配信:購入回数や購入商品にもとづいたグループ別のメッセージを配信する
これらの機能をすべて使う必要はありません。
まずは自動メッセージとカゴ落ちリマインドなど、効果が見えやすい機能から始めるのが現実的です。
友だち追加をどう増やすかも合わせて考える
アプリを導入しても、LINEの友だちになってもらえなければ配信先が増えません。
購入完了ページや同梱物に友だち追加の案内を入れる、友だち登録者限定のクーポンを用意するなど、登録の入り口を用意しておくことが欠かせません。
SNSやメールマガジンでも友だち追加のリンクを繰り返し告知し、複数の接点から登録を促すことで、特定のページだけに頼らない安定した増加につながります。
導入前に、どこで友だちを増やすかまで含めて計画しておくと、運用開始後の効果が出やすくなります。
Shopify LINE連携アプリの選び方
LINE連携アプリは複数のサービスが提供されており、料金体系や対応機能に違いがあります。
導入後に乗り換えるとなると、これまでの顧客データの引き継ぎに手間がかかるため、最初の選定は時間をかけて比較することをおすすめします。
選定の際は、価格だけでなく、自社の顧客数や運用体制に合っているかを基準に比較することが重要です。
- 料金体系が顧客数(友だち数)に応じた従量制か、機能ごとの固定制か確認したか
- 無料プランやトライアル期間で、実際の配信画面や操作性を確認したか
- カゴ落ちリマインドやセグメント配信など、必要な機能が含まれているか確認したか
- 既存のメール配信ツールと連携・併用できるか確認したか
- サポート体制が日本語で受けられるか確認したか
特に料金体系は、友だち数が増えるにつれて費用が上がる従量制のサービスが多くあります。
将来的な顧客数の増加も見込んで比較することをおすすめします。
既存のメール配信ツールとの役割分担を決めておく
すでにメールマガジンを配信している場合は、LINEとメールをどう使い分けるかも選定時に考えておく必要があります。
例えば、緊急性の高い情報や購入直後の案内はLINE、商品の背景やコラムのような読み物はメールというように、チャネルごとに向いている情報を整理すると、同じ内容を重複して配信する事態を防ぎやすくなります。
代表的なShopify LINE連携アプリを比較する
Shopifyアプリストアには複数のLINE連携アプリがありますが、ここでは代表的な2つのサービスを紹介します。
いずれも日本国内のEC運営者向けに開発されており、Shopifyの顧客データと連携する機能を備えています。
どちらも無料プランやトライアル期間が用意されているため、契約前に実際の管理画面を確認してから判断できます。
| アプリ名 | 特徴 | 料金の目安 |
|---|---|---|
| CRM PLUS on LINE | LINEログインや友だち自動追加、購入データにもとづくセグメント配信に対応。無料プランは友だち数100人まで利用できる | 無料プランあり。有料プランは友だち数に応じた月額制(月額10ドル〜) |
| StoreCRM | メールとLINEを組み合わせた配信に対応し、テストモードで配信前に検証できる | 顧客数に応じた従量制。30日間の無料トライアルあり |
料金や提供機能は変更されることがあるため、契約前に必ず公式サイトの最新情報を確認してください。
上記以外にも複数のLINE連携アプリがShopifyアプリストアで提供されています。
Shopify管理画面のアプリストアで「LINE」と検索し、自社の要件に合うサービスを比較することをおすすめします。
アプリ選定でよくある失敗
機能が豊富なアプリほど高機能に見えますが、使いこなせなければ費用に見合った効果は得られません。
導入時は担当者のモチベーションが高くても、日々の業務に追われるうちに配信作業自体が後回しになってしまうことも珍しくありません。
特に多いのが、セグメント配信や自動シナリオなど高度な機能を備えたプランを契約したものの、設定に手が回らず一斉配信しか使っていないというケースです。
まずは自社の運用体制で無理なく使える機能から始め、必要に応じてプランを見直す方が結果的に費用対効果が高くなります。
CRMとして活用する具体的な施策
LINE連携アプリを導入したら、次はCRMとしてどのような施策に使うかを決めます。
代表的な施策を組み合わせることで、新規顧客のリピート化と既存顧客の関係強化の両方に取り組めます。
どの施策から着手するかは、自社の商材や購入サイクルによっても変わるため、以下を目安に自社に合うものから検討してください。
- カゴ落ちリマインド:カートに商品を残したまま離脱した顧客へ、購入を後押しするメッセージを送る
- 誕生日・記念日メッセージ:顧客ごとの情報にもとづいた特別な案内を届ける
- 再入荷通知:気になっていた商品が入荷したタイミングで知らせる
- 購入回数に応じたセグメント配信:初回購入者とリピーターで異なる案内を送る
すべての施策を一度に始める必要はありません。
まずはカゴ落ちリマインドなど効果測定がしやすい施策から導入し、開封率や購入への転換率を見ながら他の施策を追加していく進め方が現実的です。
最初から完璧な設計を目指すより、小さく試して改善を重ねる方が、結果的に成果につながりやすくなります。
施策ごとに効果を測る指標を決めておく
施策を実施したら、メッセージの開封率だけでなく、そこから購入につながった割合まで確認することが重要です。
アプリによっては配信経由の売上を計測できる機能もあるため、導入時にどこまで効果を可視化できるかを確認しておくと、施策の見直しがしやすくなります。
数字が伸びない施策は早めに内容を変更し、反応の良かった配信内容を他の顧客層にも展開していくと、全体の効果を底上げしやすくなります。
LINE施策以外も含めた売上改善の全体像は、Shopifyで売上を伸ばす改善方法でも整理しています。
あわせて読みたい Shopifyで売上を伸ばす改善方法|CVR・リピート施策を解説 Shopifyで運営するECサイトの売上が伸び悩んでいる担当者向けに、CVR改善、カゴ落ち対策、リピート施策、集客の優先順位まで、今日から取り組める改善方法を解説します。数字の見方… 記事を読む導入前に注意したいポイント
LINE連携アプリは便利な一方で、導入の仕方によっては顧客の負担になったり、思わぬトラブルにつながったりすることがあります。
運用を始める前に、次のような点を確認しておくと安心です。
特にプライバシーへの配慮は、顧客との信頼関係に直結するため、後回しにせず導入時点で対応しておくことをおすすめします。
配信頻度が高すぎると、友だち登録の解除(ブロック)が増える原因になります。
配信内容は購入者にとって価値のある情報に絞り、頻度は週に数回程度を目安に調整することをおすすめします。
また、顧客情報を扱うため、プライバシーポリシーにLINE連携で取得する情報の範囲を明記しておく必要があります。
ブロックされた顧客への配信は届かない
友だち追加した顧客が後からアカウントをブロックすると、それ以降のメッセージは届かなくなります。
ブロック率は配信内容や頻度と密接に関係しているため、定期的にブロック率を確認し、数値が悪化している場合は配信内容を見直す運用を組み込んでおくとよいでしょう。
自社運用と外部パートナー活用のどちらが向いているか
LINE連携アプリの初期設定自体は、多くのサービスで管理画面から進められるため、専門知識がなくても始められます。
ただし、配信シナリオの設計やセグメントの分け方など、CRMとして成果を出すための設計には、EC運営の知見が必要になる場面もあります。
特に、どのタイミングでどの顧客にどのメッセージを送るかというシナリオ設計は、他社の事例をそのまま真似ても自社の顧客層に合うとは限らず、試行錯誤しながら調整していく必要があります。
自社で運用しながら知見を蓄積していく方法もありますが、施策の設計や効果検証まで任せたい場合は、Shopifyの運用支援を行う制作会社に相談する方法もあります。
NESTIEではShopifyの構築・EC運営支援として、LINEを含めたCRM施策の設計から運用改善まで対応しています。
自社でもプレゼントブランド「LIBASE」をShopifyで運営しており、顧客とのコミュニケーション施策を実務で検証しています。
会社としての取り組みはNESTIEの会社情報ページで紹介しています。
よくある質問
LINE公式アカウントは無料でも連携できますか?
LINE公式アカウント自体は無料プランでも開設・連携できます。
ただし配信できるメッセージ通数には無料プランの上限があるため、友だち数が増えてきた場合は有料プランへの切り替えが必要になります。
既にメルマガを配信している場合、LINEに一本化すべきですか?
一本化する必要はありません。
緊急性の高い案内や購入直後の通知はLINE、商品の背景やコラムのような読み物はメールというように、チャネルごとに向いている情報を分けて使う方が、顧客にとっても受け取りやすくなります。
導入後、どれくらいの期間で効果が見え始めますか?
カゴ落ちリマインドのように購入直前の行動に反応する施策は、導入直後から数字の変化を確認しやすい傾向があります。
一方、セグメント配信のようにデータの蓄積が必要な施策は、効果が見えるまでに数か月単位の運用期間を見込んでおく必要があります。
配信作業は担当者が忙しくても続けられますか?
高機能なプランを契約しても、設定や配信作業に手が回らなければ一斉配信しか使えないまま終わってしまうケースが多く見られます。
自社の運用体制で無理なく続けられる範囲の施策から始め、余力に応じて機能を追加していく進め方が現実的です。
まとめ:Shopify LINE連携アプリ選びの次の一歩
Shopify LINE連携アプリの選び方と、CRMとして活用するメリットを解説しました。
重要な点を整理します。
- LINE連携は一斉配信ではなく、購入データにもとづくCRM施策として活用する
- アプリ選びは料金体系、必要な機能、既存ツールとの相性を基準に比較する
- まずはカゴ落ちリマインドなど効果が見えやすい施策から始める
- 配信頻度とプライバシーポリシーの整備には注意する
- 施策設計まで任せたい場合は、運用支援を行う制作会社に相談する方法もある
まずは無料プランやトライアルで実際の操作感を確認してください。
そのうえで、自社の顧客数や運用体制に合うアプリを選ぶことから始めてみてください。
LINE連携は導入して終わりではなく、配信内容やタイミングを調整しながら育てていく施策です。
小さく始めて数字を確認し、反応の良かった施策を広げていく進め方が、遠回りせずに成果へつながります。
自社だけで判断が難しいときは、専門家に相談しながら進め方を整理する方法もあります。


